アカデミー賞発表。日本のアニメは…。
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アカデミー賞作品賞『グリーンブック』
2月24日、第91回アカデミー賞が発表された。今年の特徴として、黒人、外国人の躍進が目立つということです。そして今回の作品賞は『グリーンブック』。作品賞のほか、脚本賞、マハーシャラ・アリの助演男優賞など3冠です。この映画、観たいと思っていたのです!主演はヴィゴ・モーテンセン(ロード・オブ・ザ・リング)、2017年にアカデミー賞作品賞を受賞した『ムーンライト』のマハーシャラ・アリ。監督はピーター・ファレリー(メリーに首ったけ)。
1960年代のアメリカ南部を舞台にした物語。黒人ジャズピアニスト(マハーシャラ・アリ)に運転手として雇われたイタリア系白人の男(ヴィゴ・モーテンセン)。あえて黒人に対する差別が色濃い南部にツアーに出ようとする黒人ピアニストのドクター・シャーリーと、黒人用旅行ガイドブック「グリーンブック」を頼りに運転する白人トニー・リップ。二人は、衝突しながらも次第に友情を深めていくという物語。
舞台となった1960年代アメリカ南部
この物語は、実話をもとに描かれているということです。この時代のアメリカ南部といえば、やはり黒人差別問題が大きくあります。キング牧師がノーベル平和賞を受賞したのは1964年のことです。そしてこの受賞のきっかけになったのは、1955年に起きたバスボイコット事件です。当時、バスには白人優先席がありましたが、白人に席を譲るのを拒否した女性(ローザ・パークス)は逮捕・拘留されました。
これを機に、黒人によるバスのボイコット運動が始まり、この指導者こそが若きキング牧師なのでした。381日間にも及んだボイコット運動の後、連邦最高裁判所は、人種分離法が違法との判決を下したのでした。
1963年、20万人を超える人々が、ワシントンDCから連邦議会議事堂へ行進しました。ワシントン大行進です。そこで、キング牧師が行った「I have a dream(私には夢がある)」という演説が有名です。翌1964年、公民権法が制定されます。そして、これはリンカーン大統領が奴隷解放宣言を行ってから、なんと100年も経ってからの事です。
そんな背景の中で描かれる黒人と白人の友情のドラマ。しかも、雇い主が黒人で白人が雇われるほうという設定が、新鮮です。なんとなく、あらすじを想定できるが、素直に感動できる作品でしょう。人種差別という背景ではあるが、軽妙に進むストーリーは、重たくなりすぎず、子供たちに見せてもいいのではないかと思います。
『未来のミライ』細田守監督。手描きアニメーションへの想いを語る。
第91回アカデミー賞、日本でも大ヒットした『ボヘミアンラプソディ』は、ラミ・マコックの主演男優賞、音響編集賞、編集賞を受賞しています。そして、日本からは是枝裕和監督の『万引き家族』が外国語映画賞に、細田守監督 の「未来のミライ}がノミネートされましたが、惜しくも受賞を逃しています。
細田監督は、シンポジウムでのインタビューで、手描きのアニメーションに話題が及んだ際、
(シネマ・トゥデイより引用)
「僕はやっぱり、美術は紙に絵の具で描くべきだし、キャラクターも手でアニメーションを作るべきだと思っているので、本当に困っています。もっと手描きでアニメーションを作る必然性のある作品があると思うんです。一昨日もNetflixの現場に行って、グレン・キーン(『美女と野獣』などを手がけた伝説的なアニメーター)さんと話したんですが、彼も手で描きたい人で、諦めないで頑張ろうという話をしてきたんです 」と語り、会場内に大きな拍手が巻き起こりました。
細田監督のような考えの方々が、まだまだ日本のアニメ界にいるとしたら、とっても心強い気がします。宮崎駿アニメで手描きアニメも終わりなんて、残念を通り越しています!これからも、世界を魅了する日本のアニメ、期待します!!